2012年9月7日金曜日

スペイン⑦



日没の前に ご飯を食べる




水を少しだけ使って、スパゲティをゆでて、トマトソースをかけて食べた。にんにくを生でかじる。

スパゲティは少し残しておいたし、残ったソースを瓶に再び戻した。












慎重に一口ずつ水を口に含んだまま、もう少し頑張って進んでみる







30分ほど進んでみた








2人ともフラフラで その場にテントを張って寝ることにした









この夜、僕らは「水を飲みまくる」同じような夢を見ました。



体が熱くて、めまいも感じ、何度も夜に目が覚めました。





















朝7時に起きました



体は熱いし、めまいも感じるけど、進める体力と気力はあることを確認しあい












この場にいても状況は良くならないので
僕らは進みました





このGPSがあっていれば、道にさえ出られれば
ゴラフェという街に 着けるはず






昨日の夕方から現在地が変わっていないように感じるのは



それほど僕らの歩く速度が遅いからなのか



GPSが止まっているのか












もう僕らは進めるだけ進むしかありませんでした











出発してから一時間ほど
これ以上自転車では進めなくなりました









谷底が岩と草木で塞がれ、もうどうにも進めません。












本当にゴラフェという村にたどり着けるか分からない不安と、体力の消耗、そして水が残り2口ずつ…



















僕らは、「自転車を捨てる」ことを決断しました










ユーマ
















2ヶ月間、4,000㎞以上を走ってきた自転車











自業自得ではありますが、こんなつまらないことで捨てなきゃいけないなんて




この自転車に対して、申し訳ない気持ちと感謝の心がいっぱいで、2人して半泣きです

















「自転車でグラナダまで行く」ということを諦めました。




「まずは、ちゃんと生きてゴラフェに辿り着こう…」
















「…でももし、もしも助かって元気なら、取り戻しに帰ってこよう」と





ユーマは自転車のサイドバッグに自分の連絡先を書き込み、僕はフレームにメッセージを込めました。


















自転車とともに、殆どの荷物も谷底に捨ててきました。





僕はパスポート、財布、カメラ、わずかな食糧だけを持って、谷底から這い上がり、頂上を目指します。








ユーマもバックパックの荷物を泣く泣く捨てながら、荷物を軽くしながら、頑張って上ります








拝みながら 少しずつ捨てていく

















1時間ほど上り、頂上へ









ここで、確認できたことがひとつ











道を発見しました











西の方角、尾根伝いに砂利道があります。





方角、距離的に、あれがゴラフェへ向かう、目指していた道でしょう





GPSは合っていたようです












さらに丘陵地帯を越え 道にたどり着きました
車の轍、つまり人の気配に 2人して大感動














5分後 奇跡的に通りかかったジープを
全力ヒッチハイク (2人で道を塞いだ)






ジープの荷台で 僕らは助かった!と実感しました









ジープに揺られ 麓の村で降ろしてもらう
そう! あれがゴラフェ!!!









遭難して20時間
助けてくれてありがとう!ジープのおっちゃん!!!












2012年9月6日木曜日

スペイン⑥




朝飯 コーヒーとボカディージョ





昼飯 コーラとハンバーガー







午後 まずは20㎞ ひたすら下り







午前中のアップダウンで標高1,200mまで上がっていたので


午後は下り基調の道を進みます


乾いた空気に、いつもの暑さ、ただ久しぶりの追い風に2人とも笑顔


終盤を迎えたこの自転車旅を僕らは噛みしめながら、自転車は勝手に進みます








クロアチアで見たプリトヴィッツェよりもキレイな湖が!
ネグラティン貯水湖というそうです








エメラルドグリーンの湖に 上機嫌
「僕たちのゴールを祝福してくれる」ぐらいに思っていた












ちなみに、罰金の恐怖がつきまとう、自動車専用道路はもう通らないので、



グーグルマップで表示された、唯一の道を進むほかありません。








だいぶ遠回りだったので、ほかのルートは無いものかと調査しましたが


道を聞いたって、地元の人だって、誰一人知らなかったんですから


「自動車専用道路通れよ!」っていうぐらいですから








グーグルマップが表示している、この道を選ぶほかありません。








ということで僕らは、グーグルマップの示す通り、この湖から西へ






ゴラフェという丘陵地帯へ進みます







いきなり砂利道








そして分かれ道






この砂利道が、あと30~40㎞続くとすれば…3~4時間走ればってトコか

…まぁ夕方には着くね

という2人の計画です








直後、砂利道の向こうから1台の車が走ってきて、すれ違い様に、激しいスペイン語を並べ立てます。


大まかには「ノー」といっているようでした。










確かに「ノー」的な看板 そしてゲート
しかしこのゲート 開いていたので、進みます
グーグルマップが この道って言ってるからね










今度はしっかり閉まっているゲート
しかし端から回り込んで、進みます
グーグルマップが この道って言ってるからね







急に細くなる道 四方八方を山に囲まれている
しかし、唯一の道だから、疑いもせず進みます
グーグルマップが この道って言ってるからね








ウマ!!!!!!!
一歩も引かない馬とのにらみ合い
この辺りから 車の轍は無くなっていきます







川をも渡る グーグルマップの指示
蜂?虻?蚊にたくさん体を刺されて
ツラい状況ですが 進みます







というか、2人とも一刻も早く、この訳のわからない砂利道を抜け出したいから




弱音を言わず、グーグルマップを信じて進みました














よく考えたら、川を橋も使わず渡るなんておかしいですよね。そんなことするのは掟ポルシェぐらいのものです











「ちょっとこの道おかしくない?引き返す?」



もし、シゲちゃんかタカシがいたなら、道選びに妥協のない2人はこのセリフを口にしていたと思います









しかし、僕とユーマ、そんなことは口には出しません





・早くココを抜け出したい


・引き返すのが面倒くさいし、引き返したところで他に選ぶ道を知らない


・あと2日でゴールだから、まぁ何とかなるだろう


・グーグルマップは(おそらく)合っているだろう





この様ないろんな考えが混ざり合い、少しおかしいなと思いながらも

お互いまだ元気な2人は先へと進みます







山の間 丘陵地帯の谷底を進みます
自転車が漕げないところが出てきました









頭蓋骨
車の轍は とっくにありません
地面は砂利ですらなくなり けもの道になりました 








30㎏近い重さの自転車を押して歩くほかない
歩くより遅いスピードで







夕方を迎えます




本当なら、目的地に到着している頃でしたが





ここはゴラフェの丘陵地帯の谷底

















「…水どれぐらい残ってる」




「食べるものは、まだある?」



2人で確認し合います
















道は、おそらく違う



表示されているGPSは、合っているのかな?



GPSが合っているとしても、県外で地図は表示されないし、電話も出来ない














水は2人合わせて、残り500mlほど

ちなみに、2人はものすごく喉が渇いていて、腹が減っています




















この谷底、本当にこのまま進むべきなのかな…






















僕たちは夕方から、最悪のケースを想定し始めました













「自転車は捨てなきゃいけないかもね」、お互い意思確認をした頃、日没が迫ります。







2012年9月3日月曜日

スペイン⑤



下っているように見えるが、上っている
全然スピードが出ず、なかなか進まない







やっとスピードが出たと思ったら

背中に入った虫一匹に 背中をめちゃめちゃに咬まれ
戦意喪失して、なかなか進まない





この男は 元気なご様子
負けじと スピードが出ない中、黙黙と自転車をこぐ











そして、最後の舞台に突入!

アンダルシア








アンダルシーアー








アーンダールーシーアー
アーンダールゥーシーィアーーーー









焼けた風も 夕陽で止まる
痩せた土地も 緑は芽吹く
君を待つよ 何もない故郷
ここでは夢を見るくらいしか楽しみがないのさ
5日目がイチバンウマい





スタジオジブリの名作「茄子 アンダルシアの夏」では、アンダルシア地方をこのように表現しています。

実際のアンダルシア地方には、5日目がイチバンウマい茄子のアサジジョ漬けなんてものはこれっぽっちも存在しませんが

「日光を遮る木々の無い南スペイン独特の地形が、選手たちを苦しめます」っていうのは、その通りでした。とにかく暑い!風が強い!








道が無くなる恒例の事態が さらに追い打ちをかける







「でか!ダチョウや!」と思わず叫んでしまった
クソデカいハゲタカかな










頑張った一日の終わりが レストランにたどり着けず 体も洗えない
でもこんな経験も、あとわずか なんて変態的思想





遠くから聞こえる野犬の遠吠えに脅えながら 野宿
凄まじい数の星に感動







朝は寒くて なかなか起きれない
さあ ゴールのグラナダまで あと200㎞!












2012年9月2日日曜日

スペイン④

バレンシアからグラナダまでは、およそ500㎞






走行ルートははっきりしませんが


「最短距離で、町から町をつなぎ、グラナダへ」が僕ら2人の合言葉です






バレンシアで自転車ウエアを買いました
なんだかベルギーみたいな色合い




町から町を



町から町を繋ぎますが
日曜日なので、スーパーもレストランも空いてません








そしてこの先、道路が「高速道路」=「自転車禁止」に変わりました。


町から町へすら行く道が無くなりました


なぜ今まで走った道を、急に自転車禁止にするのか、意味が分からないですが


スペイン警察の罰金が怖いので





こっそり一区間走っては降りて
バレないように高速道路を走行しました




思えば、自転車旅序盤のブルガリアやセルビアでは、おかまいなしに終始高速道路を走行していました


無知である強みを発揮していたともいえます。





しかし、クロアチアから先では、「ココは走るな!」と各国の警察の誘導をうけてきたので


リスクを負わないルート選びをするようになりました。









でも今日はどうしようもないねえ



と言いながら、顔を伏せて2人で爆走です









魔の日曜日 とある町のバーが開いており 笑顔のユーマ



じいちゃん達が観ているテレビは 自転車テレビ中継
ブエルタエスパーニャの山岳ステージ



これからの道のりについて 力の入った説明を受けるも
スペイン語をぶっ通され よく分からなかった



結局走った道は まだ建設途中の道と



こんな砂利道だったり
貸し切り状態を2人で楽しんだ



辿り着いたレストラン
このステーキは最高にウマかった



舗装道路に戻り 今日も野宿
水道で体を洗い洗濯も出来て 上機嫌な2人




2012年9月1日土曜日

スペイン③




僕は2日間、バレンシアの安宿に滞在。カフェにこもり、考え事をしました。






この自転車旅が終わったら、どうしようか?








ヨーロッパの行きたい国は回るとして、本当にアフリカに行こうか?とか


そういえば、お金ってあとどれぐらい残ってるんやろ?とか


残り4か月ちょっと。やりたいことを書き出して、計画を立てて…






あれもこれもやりたいけど、お金と時間の都合上、行きたいけど行けない国もあることに気づきました







少しは整理できた自分の頭の中


スッキリできたと思ったら、めっちゃ楽しくなってきて


その国と周辺国について調べていると、やたらと興味魅かれる場所やイベントをどんどん発見して







また収集がつかなくなり、再び混乱する というループを繰り返し、2日間は終わりました













何をしても、どこへ行っても、きっと楽しいことだらけ






この贅沢な悩みを悩みつくし、良い旅にしようと思います!











そしてユーマと合流 2人で再び出発






スペインのイビサ島へ行って、ずっとクラブで遊んでいたらしい





彼も当初は、トマト祭りで自転車旅を終了させる予定でしたが、



何だかんだ、グラナダまで来たくなったのでしょう。



もはや「俺は自転車が嫌い」という発言に真実味がありません。
















ちなみに、今から突入する南スペイン、アンダルシア地方について



ぺぺ・ベネンヘリの地元です





スタジオジブリの名作「茄子 アンダルシアの夏」好きであれば、走らずにはいられない場所です。



ギルモアの怪我は残念でしたが、この映画をみれば、過酷なコンディションを感じることができると思います。




きっと、その通りの暑さと風が、僕らを待っています。











またこの名作は、世界3大自転車ロードレースである「ブエルタエスパーニャ」のとある1ステージレースを舞台にしたアニメですが





本当の「ブエルタエスパーニャ」が、現在スペインで行われています!




日々、アツいステージレースが、スペインのどこかで繰り広げられている




そう思うと、ますます走らずにはいられませんね!






謹慎明けのコンタドールが 日々アツいアタックを打っています!
しかし ロドリゲスが強くてびっくり










さぁ!走行開始しよう!







とルートを調べるも、問題発生!




良い自転車ルートが、どうにも見つかりません





例のごとく自動車専用道路ばっかりで、



結局、道選びに良い見通しを立てられないまま、僕ら2人はスタートすることになりました











僕とユーマの意見は同じで「なんとかなるでしょ!」といったところです!







それでは、暑さに負けず、南スペインを爆走します!