2012年8月30日木曜日

スペイン②



この曇り空






ビーチにテントを張る前からイヤな予感はしていたが、





深夜、雨が降ってきました。イヤな予感的中






しかもかなりの豪雨です





テントに浸み込んできた水が床にたまり、寝袋ごとビチョビチョ





凍えながら耐え忍ぶ一夜を過ごしました。












ちゃんと寝れなかった4人は、体は疲れてるけど妙にテンションだけは高い状態でした。





カラオケでオールした後、そのままファミレスで朝ごはん食ってる、あの感覚です。





だから僕は、戒めとして、今日は特別にこんな発言をしてみました。





「あと2日でトマト祭り会場に着くから、気を付けて、安全運転で行きましょう!」












そして









「はーい」と返事した直後、タカシが派手に落車しました。






「ズザァーーーーッ!」と、コンクリートに引きずられる音に振り向くと





上半身裸だったタカシは、それはもう擦り傷だらけの悲しい状態でした。







僕の発言をフリとでも解釈したのでしょうか、あまりにも代償の大きい擦り傷ギャグです









タカシ 痛そう








タカシ つらそう







しかし、彼は弱音を吐かず、しっかりとついてきます。



初日のスロベニア山越えの時なんか「ハァー」とか「ア”ッアァァーーー」とか、すさまじい疲れたアピールをしていたのに



無言で痛みに耐えています。えらい














今日足を引っ張ったのは、どちらかというと僕でした。






昼間入ったレストランで、スペインを代表するほどの陽気なマスターにビールをご馳走になり





もう酒酔いが寝不足と相まって、ひどい顔で走行していたそうです。






全然スピードが出ず申し訳ないのですが、どうすることも出来ません。





シュウが僕の顔をみて爆笑していますが、どうすることも出来ません。







ガソリンスタンドの床で突っ伏して寝る醜態をさらしました。









夕方 追い打ちをかけるパンク





ちなみに、これまで約4,000㎞走って、奇跡的に一度もパンクしませんでした。




ちなみにパンクランキングはこんな感じです。




1位 シュウ
    →0回

2位 俺
    →1回

3位 ユーマ
    →2回ぐらい

4位 タカシ
    →8回ぐらい











なんだかんだあっても しっかりと走れた







バレンシア目前 無人ガソリンスタンドにお忍びテント







この野宿が、僕ら4人の最後の野宿。









そして今日はいよいよ、トマト祭りの会場に向けて走行します。






この日はトマト祭り前夜祭にあたり、イタリアで計画したとおり、日程ぎりぎりでゴールに間に合いました!












ちなみにこの祭りの会場は、海沿いの街バレンシアから内陸部へ50㎞すすんだ





ブニョールという田舎町です。






スペインでは基本的に車移動を前提としており、街から田舎を自動車専用道路でつないでいるシステムなので、




自転車が通れる道が、うまく見つけられないことが多々あります。





特に今日は、それが凝縮された一日でした。







ものすごい平原の中、唯一そびえる丘の峠を越えなきゃいけなかったり





何度も行ったり来たりしたり





暑さも伴い、僕らは疲れました!







ブニョールに近づくが オリーブ畑ばかりの道のり
全然トマト畑が無い







こうしてアップダウンをこなした僕らは、無事にブニョールに到着しました。





おつかれさまのコーラがめちゃめちゃウマかった!!















そして、会場にはインドで会った旅人のシンジがいるとのことだったので、再会。










というか、ブニョールに終結した凄まじい日本人の数にビックリしました。




200~300人はいたと思います。





なので、沢山の嬉しい再会と、沢山の素敵な出会いがありました。






酔い騒ぐ 集結した人たち





酔い踊る 終結した人たち







すぐ仲良くなる人たち




前夜祭ではトマトは1個も登場しませんでした。



トマト食ってる人もいませんでした。スーパーの棚にケチャップ売ってたぐらいです




トマト畑も無かったし、明日本当に町中がまみれるほどのトマトがあるのでしょうか・・・?












結果的に トマトありました
5tトラックが3台 多少の人の足を轢きながらトマトをまき散らします






クサいし痛いし、気持ちが切れて楽しめない人と、前夜祭からのテンションを保った人との差が極端でした。








この会場には、スリもたくさんいました。





僕のズボンポケットのチャックが「ジーッ」と開いたので手をつかむと、ニヤッと笑ってスリは逃げていきました




僕はケータイを盗まれずに済みましたが、中には財布やケータイやカメラをとられた人たちがいました。







数日シャワーも浴びてないのに、さらにトマト臭いシュウ










嬉しい再会と、新しい出会いに大満足の旅人達は




またどこかで!と再会を約束しながら、それぞれ次の行先へと電車に乗り込みました。













僕らは自転車で 来た道を戻りました













ヘロヘロになりながらバレンシアに到着した僕らは、大都市恒例のアパート生活を満喫します




部屋で 楽しい宴が 2日開催されました


















そして2日後、宿をチェックアウトした僕ら4人は、いよいよ解散です。






シュウとタカシは、自転車をバルセロナの陽介さんと吉野さんにあげるため、また自分の荷物を今度こそ受け取るため、バスでもう一度バルセロナへ向かいます。












シュウにはいろいろと助けられました





というか、ヨーロッパ自転車横断をするための、たくさんの具体的な提案をしてくれました。




自転車購入の時から、野宿場所の見つけ方まで、さすが昨年19歳で日本縦断した男です。




でも何よりも彼は、皆がどんなに疲れていれも、いつも笑顔で良い雰囲気を作る凄い奴です。




彼と走れば走るほど、ヤーバイブス持ってるな!とリスペクトです
(ヤバいバイブスのことです)





彼はこれから、ヨーロッパ、アフリカ、南米、北米の順番で旅を続けます。





僕とルートが一緒なので、またどこかで再会できたら最高です!













タカシにもいろいろ助けられました





ある日のアパート、タカシの部屋に行くと、歯を磨きながらCNNのニュースを見ていました。彼は英語がベラベラなのです。





そしてイスラエルの大学で揉まれる努力家の彼は、パソコンを使った情報収集やルート選びなど、その力を如何なく発揮してくれました。秀才の段取りを目の当たりにすると、僕はただ関心するばかり、という状況がありました。








タカシは通学で自転車に乗っていたぐらいで、10㎞も走ったことが無い、という上でのスタートでした。




しかし走行面でも、彼の努力家たる長所が活き、スイスを越えたころには本当に速くなりました。





4人いれば、1番遅い人が足を引っ張るということは、当然読める展開でしが




ポジティブに意見を言える彼のおかげで、危惧していた上記の様なトラブルは起きなかったです。




彼もまた、ヤーバイブスの持ち主です。




これからドイツでご学友と遊んですごした後、日本の大学へ復学するため、日本へ戻ります。




きっと彼は、ロードレーサーを買うと思います


















僕とユーマは、数日間それぞれ休憩をとった後、最終目的地であるグラナダへ、再び走行を開始します。




















お別れの時、4人での記念撮影をなんだか撮れませんでした。




少し涙ぐむのが、恥ずかしかったからでしょうかww




ユーマはイビサ島へ向かうため、そそくさと地下鉄に乗り込み




そして僕は、バス停で2人を見送り





あぁー寂しい…が、いってらっしゃい!また会おう!










ブルガリアをスタートして2か月間、道のり4,000㎞の自転車4人旅は、これにて終了しました!






数日間の休足日の後、僕とユーマは、ここから500㎞先へ





南スペインのアンダルシアと呼ばれるところへ





グラナダという街へ向かって走行します!

2012年8月26日日曜日

スペイン①

 
スペインに入ってから変わったこと







やたらと熱いです。特に昼間






スゴイ強風です。特に昼間






シエスタという昼休憩が夕方まで続いてます。観光地ではない田舎では高レベルのシエスタが繰り広げられています。







英語が話せないので、スペイン語でぶっ通してきます。観光地ではない田舎では高レベルのスペイン語が繰り広げられています。










他の国に比べ、スペインでは苦しい経験を味わうことになりそうです。













パエリアうまいわ






いいこともあります。それはメシが安くてうまいこと



スイス、フランスから来た僕ら


レストランで食べるにも、スーパーで買い物するにも、「物価下がったな!」とうれしくなり、思わず浪費してしまいます。


スペインに入国したその夜、田舎町のレストランで食べたイカ墨パエリアが、安くて、
最ッッッ高にうまかったです。



朝は、バルで地元のじいちゃん達に紛れて、一緒にコーヒーを飲みます。


そしてタパスという小技の効いた料理の数々をバゲットに挟んだサンドイッチ系の食べ物「ボカディージョ」を食べます


これを食べれば、朝からもう幸せです






これがバル














スーパー向かい風のため 一列棒状です






しっかり食べたあとは、しっかり走ります。




真っ先に向かい風に立ち向かうポジションは先頭です。だいたい先頭の僕は、「風よけリーダー」と呼ばれています。




疲れたら、タイミングを見計らってユーマと先頭交代します。





午前中は、だいたいこんな感じです。















昼から夕方にかけては暑すぎて、風が強すぎるので、僕らも休憩します。



寝坊したりしない限り、極力走りたくはありません。



だいたいはレストランでメシ食った後、マクドナルドで寝てます。














焼けた風も 夕陽で 止まる










エルナンデスさんも言っていますが、夕方は走りやすいので、ここでまた走ります。










そして夜はメシを食って、こっそり水道で髪を洗って、暗くなったらテントを張って寝ます。










こんな日々を4人で過ごすのも、あと少しです




















そして 大都市バルセロナに到着
着いてそのまま 日本の小学生たちと合流






昼ごはんを一緒に食べる






彼らは、石巻のサッカー少年団の子供たちです。




ここバルセロナで、サッカーの名門FCバルセロナの試合に入場したり、FCバルセロナのコーチと練習したり、スペインを楽しんだり




貴重な経験を積んでもらおうと、たくさんの協賛で、この企画が実現したそうです。





企画者の方々とのお話は、大変興味深いものでした。






そして昼食後、なぜか僕らが彼らにスピーチをすることに





テレビカメラに緊張したのか、シュウが一発ギャグ「ボガァーン」で、激しくスベっていました







彼らの楽しい思い出の中に、「変な自転車4人組」として残っていればと思います。







FCバルセロナのコーチと練習












佐藤陽介さん





今回、僕らが同行させてもらえたのは、ユーマと陽介さんのつながりがあったから。




陽介さんは、スペインリーグのサッカー選手です。
高校時代、大久保選手と2トップで選手権優勝。
一度日本で就職されましたが、今は単身、スペインリーグでサッカー挑戦中のアツい方です。
日本代表のウラ話は過激すぎました。












また、スポーツジャーナリストの吉野さん



本当にアツい方で、大変お世話になりましたが




出会った瞬間から面白すぎたので写真を1枚も撮っていません




バルセロナのたくさんのクラブに、顔パスで入れるスゴイ人で、ぜひ写真を載せたかったのに




残念ながら面白すぎて写真を撮っていません










中学生のマシュー





こんなにしっかりした中学生はいないと思います。

彼もユーマの知り合いで、家族でバルセロナに来ていたところ「バルサのコーチの練習に参加したい」と、一人でついてきました。

コンバースであったことを悔やんでいました。


本当は、レアルのファンです。
















バルセロナの楽しみは、まだまだ続きます





バルセロナ VS レアル・マドリード






世界屈指の好カードを観戦しました。




サッカーで何億円も稼ぐ選手たちのプレーを観戦しました。




簡単に言うと彼らは皆、基本に忠実で、ミスをせず、90分間走りつづける、最高に理想的なプレーをしていました




その中に何人か、1対2の局面でもドリブルで打開できるような、絶対にボールを取られず、ファールで止めるしかないような、ワンタッチで強烈にイナしたパスを出すようなプレーをする選手が
何かチャンスを起こせる選手がいました。




メッシ、シャビ、イニエスタは本当に凄いと思いました。






すっかりバルサファンの3人




ホテルでお留守番 英気を養ったタカシ












バルセロナでは、一つのトラブルも発生しました。





フランスの田舎町からバルセロナ宛に送った3人の荷物のうち、ユーマの荷物だけしか届いていませんでした。





なので、タカシとシュウは、後日荷物を受け取るため、もう一度バルセロナへ戻るそうです。






自転車より遅い郵送って、もはや意味がわかりません。






ちなみに僕の荷物は、南スペインのグラナダに住む幼馴染の愛ちゃんが無事受け取ったそうです。

















こうして、バルセロナを後にした僕らは、いよいよ4人の自転車旅のゴール地



トマト祭りへむけて再び走ります!

2012年8月23日木曜日

フランス④

南フランスの海沿いは、リゾート地






走行距離は もうすぐ3,500㎞




郊外には、いくつものビーチ




ということで、しっかりと走行した後は、街のスーパーで買い物をし、郊外のビーチで自炊をし、暗くなったらビーチのシャワーを浴び、ビーチにテントを張りました














シュウ



最近、シュウの踵が腫れており、彼は、走行後は少し痛くて歩きにくいそうです。





スイスで買ったパンスキンドール という塗り薬が効きます。





笑顔を心がける男なので弱音は吐きませんが、リタイアする気は無いようです。





頑張る20歳を応援します













タカシ





タカシは全身筋肉痛ですが、平地ではかなりのスピードで回せるようになり、レベルアップしました。




彼はツールドフランスの映像から、どうやらポジション改造に独自に取り組んだようです




日によってサドルが上がったり下がったり、ブレーキの位置を変えてみたり




しまいにはバーエンドを真ん中に持ってきて、タイムトライアルバイクを意識した仕上がりに仕上げてきました。もうなんかすごい仕上がりです。





彼は、ロードレーサーにハマる可能性大です。100g違うからといって、2万円のサドルを買っちゃうタイプです。






頑張る21歳を応援します















ユーマ






何度も書いている通り、彼は元気です。





酒を飲んでいる姿を「連写で撮ってくれ」と、いちいち写真を撮らせるほど元気です。





「俺の筋肉をさわってくれ」と言ってきたりもしますが、面白いのでシュウと無視しています。





すると「なんで筋肉さわってくれへんの?」と少し怒ります。面白いので絶対にさわりません。















海沿いを南に下るにつれ アップダウンが多くなった
国境のピレネー山脈に突入









ピレネー山脈は、フランスとスペインの国境を横断している山脈です。




中央部は特に険しく、ガリビエ峠みたいなルートを越えなくてはいけませんが




それに比べると、僕らが進む海沿いは緩やかな地形です。










とは言っても 上りっぱなし





頑張って







頑張って






辿り着いた頂上






スペイン入国の看板を見つけた








スペインに入った。





嬉しいような、すこし寂しいような







いよいよ、最後の国を走ります!