この曇り空
ビーチにテントを張る前からイヤな予感はしていたが、
深夜、雨が降ってきました。イヤな予感的中
しかもかなりの豪雨です
テントに浸み込んできた水が床にたまり、寝袋ごとビチョビチョ
凍えながら耐え忍ぶ一夜を過ごしました。
ちゃんと寝れなかった4人は、体は疲れてるけど妙にテンションだけは高い状態でした。
カラオケでオールした後、そのままファミレスで朝ごはん食ってる、あの感覚です。
だから僕は、戒めとして、今日は特別にこんな発言をしてみました。
「あと2日でトマト祭り会場に着くから、気を付けて、安全運転で行きましょう!」
そして
「はーい」と返事した直後、タカシが派手に落車しました。
「ズザァーーーーッ!」と、コンクリートに引きずられる音に振り向くと
上半身裸だったタカシは、それはもう擦り傷だらけの悲しい状態でした。
僕の発言をフリとでも解釈したのでしょうか、あまりにも代償の大きい擦り傷ギャグです
タカシ 痛そう
タカシ つらそう
しかし、彼は弱音を吐かず、しっかりとついてきます。
初日のスロベニア山越えの時なんか「ハァー」とか「ア”ッアァァーーー」とか、すさまじい疲れたアピールをしていたのに
無言で痛みに耐えています。えらい
今日足を引っ張ったのは、どちらかというと僕でした。
昼間入ったレストランで、スペインを代表するほどの陽気なマスターにビールをご馳走になり
もう酒酔いが寝不足と相まって、ひどい顔で走行していたそうです。
全然スピードが出ず申し訳ないのですが、どうすることも出来ません。
シュウが僕の顔をみて爆笑していますが、どうすることも出来ません。
ガソリンスタンドの床で突っ伏して寝る醜態をさらしました。
夕方 追い打ちをかけるパンク
ちなみに、これまで約4,000㎞走って、奇跡的に一度もパンクしませんでした。
ちなみにパンクランキングはこんな感じです。
1位 シュウ
→0回
2位 俺
→1回
3位 ユーマ
→2回ぐらい
4位 タカシ
→8回ぐらい
なんだかんだあっても しっかりと走れた
バレンシア目前 無人ガソリンスタンドにお忍びテント
この野宿が、僕ら4人の最後の野宿。
そして今日はいよいよ、トマト祭りの会場に向けて走行します。
この日はトマト祭り前夜祭にあたり、イタリアで計画したとおり、日程ぎりぎりでゴールに間に合いました!
ちなみにこの祭りの会場は、海沿いの街バレンシアから内陸部へ50㎞すすんだ
ブニョールという田舎町です。
スペインでは基本的に車移動を前提としており、街から田舎を自動車専用道路でつないでいるシステムなので、
自転車が通れる道が、うまく見つけられないことが多々あります。
特に今日は、それが凝縮された一日でした。
ものすごい平原の中、唯一そびえる丘の峠を越えなきゃいけなかったり
何度も行ったり来たりしたり
暑さも伴い、僕らは疲れました!
ブニョールに近づくが オリーブ畑ばかりの道のり
全然トマト畑が無い
こうしてアップダウンをこなした僕らは、無事にブニョールに到着しました。
おつかれさまのコーラがめちゃめちゃウマかった!!
そして、会場にはインドで会った旅人のシンジがいるとのことだったので、再会。
というか、ブニョールに終結した凄まじい日本人の数にビックリしました。
200~300人はいたと思います。
なので、沢山の嬉しい再会と、沢山の素敵な出会いがありました。
酔い騒ぐ 集結した人たち
酔い踊る 終結した人たち
すぐ仲良くなる人たち
前夜祭ではトマトは1個も登場しませんでした。
トマト食ってる人もいませんでした。スーパーの棚にケチャップ売ってたぐらいです
トマト畑も無かったし、明日本当に町中がまみれるほどのトマトがあるのでしょうか・・・?
結果的に トマトありました
5tトラックが3台 多少の人の足を轢きながらトマトをまき散らします
クサいし痛いし、気持ちが切れて楽しめない人と、前夜祭からのテンションを保った人との差が極端でした。
この会場には、スリもたくさんいました。
僕のズボンポケットのチャックが「ジーッ」と開いたので手をつかむと、ニヤッと笑ってスリは逃げていきました
僕はケータイを盗まれずに済みましたが、中には財布やケータイやカメラをとられた人たちがいました。
数日シャワーも浴びてないのに、さらにトマト臭いシュウ
嬉しい再会と、新しい出会いに大満足の旅人達は
またどこかで!と再会を約束しながら、それぞれ次の行先へと電車に乗り込みました。
僕らは自転車で 来た道を戻りました
ヘロヘロになりながらバレンシアに到着した僕らは、大都市恒例のアパート生活を満喫します
部屋で 楽しい宴が 2日開催されました
そして2日後、宿をチェックアウトした僕ら4人は、いよいよ解散です。
シュウとタカシは、自転車をバルセロナの陽介さんと吉野さんにあげるため、また自分の荷物を今度こそ受け取るため、バスでもう一度バルセロナへ向かいます。
シュウにはいろいろと助けられました
というか、ヨーロッパ自転車横断をするための、たくさんの具体的な提案をしてくれました。
自転車購入の時から、野宿場所の見つけ方まで、さすが昨年19歳で日本縦断した男です。
でも何よりも彼は、皆がどんなに疲れていれも、いつも笑顔で良い雰囲気を作る凄い奴です。
彼と走れば走るほど、ヤーバイブス持ってるな!とリスペクトです
(ヤバいバイブスのことです)
彼はこれから、ヨーロッパ、アフリカ、南米、北米の順番で旅を続けます。
僕とルートが一緒なので、またどこかで再会できたら最高です!
タカシにもいろいろ助けられました
ある日のアパート、タカシの部屋に行くと、歯を磨きながらCNNのニュースを見ていました。彼は英語がベラベラなのです。
そしてイスラエルの大学で揉まれる努力家の彼は、パソコンを使った情報収集やルート選びなど、その力を如何なく発揮してくれました。秀才の段取りを目の当たりにすると、僕はただ関心するばかり、という状況がありました。
タカシは通学で自転車に乗っていたぐらいで、10㎞も走ったことが無い、という上でのスタートでした。
しかし走行面でも、彼の努力家たる長所が活き、スイスを越えたころには本当に速くなりました。
4人いれば、1番遅い人が足を引っ張るということは、当然読める展開でしが
ポジティブに意見を言える彼のおかげで、危惧していた上記の様なトラブルは起きなかったです。
彼もまた、ヤーバイブスの持ち主です。
これからドイツでご学友と遊んですごした後、日本の大学へ復学するため、日本へ戻ります。
きっと彼は、ロードレーサーを買うと思います
僕とユーマは、数日間それぞれ休憩をとった後、最終目的地であるグラナダへ、再び走行を開始します。
お別れの時、4人での記念撮影をなんだか撮れませんでした。
少し涙ぐむのが、恥ずかしかったからでしょうかww
ユーマはイビサ島へ向かうため、そそくさと地下鉄に乗り込み
そして僕は、バス停で2人を見送り
あぁー寂しい…が、いってらっしゃい!また会おう!
ブルガリアをスタートして2か月間、道のり4,000㎞の自転車4人旅は、これにて終了しました!
数日間の休足日の後、僕とユーマは、ここから500㎞先へ
南スペインのアンダルシアと呼ばれるところへ
グラナダという街へ向かって走行します!